美のうねり 美の鼓動
- CATEGORY: 美術展
朝の家事を済ませ、まずは一息コーヒーブレイク。
コーヒーを飲みながら、そこに置いてあった朝刊にふと目を落とすと、
天声人語の冒頭、 「芸術は爆発だ!」 の文字が飛び込んできました。

20代をパリで過ごした岡本太郎は、帰国後、日本の伝統美に幻滅し、自国文化へ絶望したと言います。
そんな彼を呼び起こしたのが、東博で展示されていた縄文の土器や土偶との出会いでした。
東博考古室長は、縄文土器のことをこのように言っています。
「火焔のような装飾、直線と曲線の織りなす紋様。同じ新石器時代の中国やインド、欧州の品には見られない造形美です。」

え? 縄文土器の造形美???
縄文土器といえば、生活に必要な道具。
岡本太郎氏を魅了した “美術品” というのは、意外で新しい視点でした。

この目で確かめてみたくなりました。
手に持っていたコーヒーを一気に飲み干すと、その日やろうとしていたことを全て放り出し、向かうは上野の東京国立博物館。
芸術の秋スペシャル
長いです。ご興味のある方はつづきをご覧ください。↓↓↓
「特別展 縄文1万年の美の鼓動」
東京国立博物館 2018年7月3日~9月2日

東京国立博物館
世界一
東アジアの東端に位置する日本列島で花開いた縄文文化。
そこで、世界最古級の土器を生み出し、世界の先史土器の中でも群を抜く造形美を作り出した文化だそうです。
展示では、縄文時代約一万年にわたる美の移り変わりを見ることができました。
そして、国宝に指定されているのは、たったの6点。
今回は、縄文の美を極めたこれらが初めて一堂に展示されました。(国宝は撮影不可)

美のうねり
縄文時代の人びとが、生き抜くために生み出した力強い形。
自然の恵への感謝や、命への敬いの中で作り出された神秘の形。
長い時の流れの中で紋様も複雑に変化していきます。
それにしても、縄文時代が一万年も続いたなんて、改めて考えるとすごいな。

美の鼓動
こうして “美術品” として、新たな視点でじっくりと見てみると、
日本人の日々の暮らしへの美意識の高さや、ものづくりへのこだわりは、
時代の流れにうねりながらも、脈々と現代の私たちにも受け継がれているような気がしました。
そして、五感をフルに稼働させて感じた縄文の鼓動。
豊かに日々を生きていくヒントを、私たちのご先祖様から教えてもらったような気がするのです。
(本活ブログ “bookcover” より転載)
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